定番メカニカルキーボードProgresTouchをガチレビュー

PCキーボード

せろりんです。

ちょっと一発静音キーボードがほしくなったので、ARCHISS製ProgresTouch RETRO TKLのCherryMX静音赤軸(ピンク軸)キーボードを購入しました。

ProgresTouchってCherryMX軸のメカニカルキーボードではMajestouchに次ぐ定番ですが、今まで買ったことがなかったのでガチレビューしていきます。

おれが買ったのはピンク軸でテンキーレスで日本語配列なProgresTouchですが、ほかの軸のProgresTouchがほしい方の参考にもなるようにレビューしていきます。

開封するぞ

12月23日にヨドバシから届きました。我々ガジェットオタクには、クリスマスとかそのくらいの時期になると自分にクリスマスプレゼントを買うという謎の風習があります。キモいですね。

テンキーレスなので箱が小さいですね。エコで良いです。

ジャーン 一番テンションがあがる瞬間です。中古でキーボードを買うとこの瞬間が無いから微妙ですよね。

プラ製のカバーみたいなのが付いてきます。これはマジェと一緒ですね。おれはこのカバー捨てちゃうんですが(なぜなら1日でパソコンを触っていない時間のほうが短いためカバーを付ける暇がない)これを使う人にとってはありがたいんだろうなと思います。

付属品です。順次紹介していきます。

ケーブル取り外し可能は最高

ProgresTouchの地味に素晴らしいところがここです。ケーブルが取り外し可能なんですよね。USB-miniBケーブルでPCに接続できます。

普通の安物キーボードはケーブル取り外しなんて無理だし、高級キーボードであってもRealforceやMajestouch等の定番キーボードは取り外し不可なので、これは超ありがたいです。

1万を超す高級キーボードなんだからケーブルくらい替えられて当然な気がしますが、この一手間が案外できないものなんですよね。

本体が1万とか2万とかするキーボードが、たかがケーブルの断線のせいで使えなくなったら悲しすぎます。ケーブルの断線は自力ではんだ付けすれば直せないことはないし、修理してもらえないこともないのかもしれませんが、できればAmazonでケーブルポチってそれで終わりにしたいです。

そんで、当キーボードの付属ケーブルは1.8メートルもあるので、例えばノートパソコンに接続する場合や、机の上にあるデスクトップPCに接続する場合にはさすがに長過ぎます。そういう場合は50cmもあれば十分ですよね。状況に合わせて短いケーブルに変更できるのは最高です。

付属品はけっこう豪華!DIPスイッチも使えるぞ

付属品です。左からキートップリムーバ(キープラー)、替えのキートップ、USB-PS/2変換アダプタです。

替えキートップはDIPスイッチで配列を替えたときに入れ替えるためのものです。

こいつはクソ高いキーボードに付いていたり付いていなかったりするDIPスイッチと呼ばれるスイッチです。ProgresTouchはクソ高いキーボードなので付いてきます。

コイツをいじることでキーの入れ替えができるんですよね。世の中には特殊なキー配列じゃないと我慢できないパソコンオジサンがいるので、そういう人のための機能です。

1,2,3,4と番号が振られていて、それぞれに役割があります。1をONにするとCapsLockと左Ctrlが入れ替わります。2をONにするとWindowsキーとAltキーが入れ替わります。3をONにするとWindowsキーとFnキーが入れ替わります。4をONにするとWindowsキーとE/Jキー(半角/全角キー)が入れ替わります。

いろいろあるんですがおれはどれも使わないですね。CapsLockと左Ctrlを入れ替えるといろいろと捗るなんてよく聞きますが、キーボードやパソコンが変わったときに大変そうなので変えないようにしています。

替えのキーは、DIPスイッチで入れ替えることができるCtrlとWindowsとCapsLockとAltだけです。ゲーム用途を想定したキーボードに付属してくることがある色違いのWASDキーは付いてきません。ゲーム用途を想定していないというのもそうなんでしょうけど、二色成形キートップだから色違いのキートップを作るのが大変だというのもあるんだと思います。

キートップリムーバ(キープラー)と呼ばれるこの工具は、キートップを引き抜くためのものです。

どういうときに使うのかってえと、替えのキートップに変えるときと、掃除するときですね。あとは暇な時バシバシ抜き差しして遊ぶという使い方もできます。

ガチレビューと言うからにはキートップリムーバまで比較するぞ!一番手前のがProgresTouchのものです。真ん中のが確か富士通の2万円くらいするLibertouchってキーボードのキートップリムーバ、奥のが超定番高級キーボードMajestouchのリムーバです。我が家にはこの工具がクッソたくさんあります。

奥のMajestouchについてきたリムーバは、CherryMX軸キーボードだけでなく、Realforceを筆頭にほぼ全てのキーボードに使えるので、Realforce信者のおれとしては大変便利です。キートップを掴む部分が金属製なので耐久性もかなり高そうです。どっこいキートップを抜くには一々針金の部分を広げてからキートップにセットしないといけないので、そこはちょっと手間なんですよね。

LibertouchタイプやProgresTouchに付属してくるタイプは、キートップを挟むように上から押し下げてリムーバをセットした後に引き抜く、これだけでキートップが抜けるので大変便利です。

ただLibertouchタイプやProgresTouchタイプはツメの部分が弱そうで耐久性が心配です。キートップを全部引き抜いてキーボードの大掃除をしようとすると100回くらい引き抜く動作をする必要があるので、頻繁にキーボードを掃除する人にとって耐久性はまあまあ重要です。どれも一長一短って感じですね。個人的にはMajestouchタイプが好きです。MajestouchタイプはAmazonで500円くらいで買えるので買ってみると捗りますよ。

キートップの造りの良さがスゲえ

キートップの文字の印刷方法にはいろいろあります。シルク印刷とか昇華印刷とか様々なんですが、それぞれ印字の消えにくさや文字の視認性やコストなんかが違います。いくつかある方式の中で耐久性が最強なのは二色成形です。

二色成形は色が異なるプラスチックを2種類使うことでキーボードの印字を表現する方式です。ProgresTouchだと、印字の形の穴が空いたガワを黒いプラスチックで作って、白いプラスチックを穴に流し込むことで文字を表現しています。

字がプラスチックで作られているため、文字が絶対消えません。薄くなることもありません。500年くらい使い続けてキートップが1ミリくらい摩耗すれば文字が消えることもあるのかもしれませんが、先に人間とキーボードが死ぬので、キートップだけを家宝にして子孫に継承しない限りは問題ありません。

二色成形は、2種類のプラスチックを使う都合上、「0」の内側みたいな孤立した部分をそのまま表現することができません。技術的な成約で文字が気持ち悪い形状になります。個人的にはこれがあんまり好きじゃありません。

Capsの「a」とか「p」や、Tabの「b」なんか形が気持ち悪いし視認性が悪いし違和感があると感じるのはおれだけでしょうか。

「8」や「9」もなかなか酷いです。「0」なんてカッコ2つ「()」に見えます。技術的な制約があるのでこうなってしまうのはしゃーないんですが、美しくはないですよね。

おれはキーボードを見ないで入力するので印字なんてどうでもいいし何なら無刻印でも構わないと思っているんですが、キーボードを見ながら打鍵する人には結構違和感があると思います。

ゴチャゴチャ言いましたが、二色成形は死ぬほどコストがかかるので、造りが良いキートップの象徴みたいな方式です。そんで、キートップの造りが良いというのは何も印字に限ったことじゃありません。ProgresTouchはキートップがめっちゃ肉厚です。

写真じゃよく見ないとわからないと思いますが、側面のプラスチックがかなり分厚いです。中華青軸キーボードWH026と比べるとかなり顕著に分厚いし、RealforceやMajestouch2よりも1.5倍くらい分厚いです。

Majestouchさんはキートップがペラペラなことで有名なので、Majestouchに勝つのは当然ですが、造りが良いで有名なあのRealforceよりも分厚いです。

ProgresTouchのキートップはかなりしっかり作られているので、キートップを指で強く握ってもまったく歪みません。超頑丈です。

個人的にはおれはキートップの良し悪しは打鍵感にほとんど影響しないと思っています。どっこい世の中にはペラペラだと嫌って人とか、ペラペラだと打鍵感が悪くなるって思っている人も結構たくさんいます。薄いと嫌だという人はいますが厚いと嫌だという人は見たことがないので、キートップは分厚いに越したことはありません。みんな大満足の出来に仕上がっています。

キートップの厚みなんてどうでもいいところなんですが、こういう細かいところにこだわるのが高級キーボードの証です。

造りがメチャクチャ良いぞ!

ProgresTouchは、現行キーボードではトップクラスの造りの良さです。造りが良いとされるRealforceやMajestouchに普通に張り合っています。1万円もするだけのことはあります。

筐体のプラスチックが全体的に分厚いのでかなりガッシリしています。鉄板が入っているのでずっしりしていて、打鍵したときに安定感があります。

造りがてきとうなフニャフニャのキーボードって例えばこのあたりのカーソルキーの上のデッドスペースを指で強く押すとプラスチックがしなるんですが、ProgresTouchはびくともしません。

まあプラスチックが厚いとかデッドスペースがしならないとか、そんなのは実用上はまったく関係がないことですし、プラがペラペラでデッドスペースしなりまくりなキーボードにも良いキーボードはたくさんあるんですが、やっぱり造りがいいと気持ちがいいです。

フチの幅が短いのも最高です。スマホで言うところのベゼルレスです。省スペースで机の上がスッキリします。

RealforceとかLibertouchは、フチが無駄に分厚くて正直もうちょっとどうにかならねえかなあ、なんて思うわけですが、ProgresTouchはMajestouchと同様にフチの幅がかなり短いです。

Realforce初代は無駄にフチが分厚いです。手首側にフチを残す意味はわかるんですが、奥にフチがあってもまったく意味がありません。一方でMajestouchとProgresTocuhは手前も奥もフチがバッサリ切り取られています。

MajestouchとProgresTouchはフチの長さがほぼ一緒です。正直言って、ProgresTouchはMajestouchを強く意識して開発している感じが節々から感じられます。

通は塩

さて、メカニカルキーボードには、基盤にスイッチを付けただけのもの(PCBマウント)と、基盤にスイッチを付けてさらに鉄板で固定したもの(鉄板マウント)があります。

ProgresTouchは鉄板マウントと呼ばれる鉄板が入っているタイプです。普通に考えれば鉄板が入っているほうが上等な気がしますが、鉄板が偉くてPCBが偉くない、なーんてことは一切ありません。

個人的な感想なんですが、鉄板マウントは打鍵感が硬すぎて指が痛くなります。鉄板が入っていないほうが適度に基盤がたわむので打ち心地が好みですし、長時間打鍵したときにも疲れない気がします。

鉄板マウントは、打鍵したときに基盤がたわまないので底打ち感が硬い一方で素直な打ち心地です。どのキーをどんな打ち方で打鍵しても必ず同じ底打ち感が帰ってくるので、打っていて安定感があります。キースイッチそのものの良さを味わうための構造です。焼き鳥で言うところの塩です。

おれは鉄板マウントがあんまり好きじゃないので個人的にはイマイチです。といっても鉄板は鉄板で良さがあり、鉄板のほうが好きという人も多いので、よく吟味した上で買うといいと思います(正直1枚めのメカニカルキーボードだったら、鉄板の有無を意識する必要はあんまありません)。といっても、Majestouchを筆頭に今の高いキーボードはほとんど鉄板が入っているのであんまり選択肢はありません。

ピンク軸ってどうよ?

おれが購入したのはCherryMX静音赤軸(ピンク軸)モデルです。その名の通り赤軸の静音モデルなので、赤軸と同様にリニア(押し下げた距離に比例するように反発力が増加する)な打ち心地です。

静音モデルなので赤軸とはだいぶ打鍵感が違います。第一に重さです。赤軸は軽いで有名ですが、静音赤軸は赤軸より少し重めです。1,2割重い気がします。

次に底打ち感です。静音赤軸は静音スイッチなので、底打ち時の音を和らげるために、底打ち感がソフトになっています。Reaflrceなどのラバードームのキーボードと似たような底打ち感で、指が痛くなりません。

正直鉄板が入っているメカニカルキーボードは底打ち感が硬すぎて指が痛くなります。でも静音赤軸なら底打ち感がやわらかいので鉄板でもあまり問題はありません。

ノーマル赤軸と比べちゃうと軸のスレ感も気になります。赤軸はバネを押しているような感触ですが、静音赤軸はちょっと何かを擦っているようなスレた感覚が追加されます。普通の赤軸はクリアな打ち心地でスレ感が無く、そこがウリです。それを考えるとスレ感があるのは正直イマイチです。静音モデルなのでこのへんは我慢するしかありません。とはいえスレ感はそこまで強くないので許容範囲内です。

静音赤軸は静音なので他人に迷惑がかからないし自分の耳も疲れません。静音というのを抜きにしても、底打ち感がソフトなので長時間の入力でも疲れません。そんなわけで、静音赤軸は結構気に入りました。おれは茶軸と赤軸の信者なんですが、その2つに並ぶくらい良いスイッチだと思いました。

ちなみに鉄板マウントだしキートップも筐体も分厚いので、本体に癖は一切ありません。スイッチの特性をそのまま反映している本体だと思います。とはいえ打ち心地はMajestouchもProgresTouchも似たような感じなので、打鍵感についてはマジェと比較して特にアドバンテージがあるとは思いません。ほぼマジェと一緒です。

もちろん1万円を超えるキーボードなので打鍵感は安物とは比べ物になりません。このくらいの品質になってくると、打鍵感の良し悪しというよりは好みの問題で語るべき領域かなと思います。

メンテしやすい神スタビライザー

メカニカルキーボードを選ぶ上で重要なのはスタビライザーです。

Cherry軸のスライダーは真上から押すことを想定して作られています。したがって、スペースキーやシフトキーのような長いキーをスイッチにそのまま付けると、キーの端のほうを押した時にしっかり動作しません。てことで、それを解消するために市販の大抵のメカニカルキーボードにはスタビライザーと呼ばれる機構が付いています。

そんで、スタビライザーの構造によっては、メンテナンス性が最悪でキートップを外した時にぶっ壊れやすいヤツもあります。何を隠そうMajestouchのスタビライザーがそのぶっ壊れやすいタイプです。

おれたちの宿敵、Majestouch2のクソスタビライザーです。キートップを外すとメチャクチャになってもとに戻すのが死ぬほど大変です。

それでも戻せたらまだマシです。この白いパーツが割れたり無くなったり、針金みたいなパーツが曲がったり無くなったりして、簡単にぶっ壊れます。コイツがあるのでMajestouchは分解掃除をしたくありません。おれがマジェ嫌いな理由の第二位がこれです。ちなみに栄えある第一位は鉄板が入っているからです。

そんでProgresTouchのスタビライザーはこれです。針金が鉄板内に埋め込まれているタイプです。コイツはなかなかいいです。分解も組み立ても簡単で言うこと無しです。ここもMajestouchに一歩リードですね。

本当はLibertouchやRealforceみたいなスタビライザーが存在しないタイプがベストなんですが、ProgresTouchのタイプもわりとメンテナンスしやすいので、どっちでもいいといえばどっちでもいいです。

静音赤軸でも静音性は微妙

おれが買ったのは静音赤軸モデルです。ってことで静音性に期待したいところです。実際、マジェ黒軸の打鍵音が周りの迷惑になっていそうだからこのキーボードを買ったわけなので、それなりには静かであってほしいです。

実際使ってみると、メカニカルキーボードの中では音量がマシなほうであるMajestouchの茶軸やCherry純正の赤軸よりもだいぶ静かです。

隣の席のやつがマジェ茶軸を使っていたらマジェを取り上げて角で頭をぶん殴りますが、ProgresTouchの静音赤軸だったらぶん殴るほどではありません。これはProgresTouchがすごいんじゃなくて、静音赤軸がすごいんだと思います。

変荷重Realforceと比較してもそこそこ静かです。Realforceは非静音モデルであったとしても高級キーボードの中ではかなり静かな方ですが、そのRealforceと比較しても、音量は7,8割くらいに抑えられています。

でも期待してたほど静かじゃないなあというのが正直なところです。静音を謳うからには、Realforceの7割の音量では不満です。

高級キーボードは基本的に騒音発生機なので、当機種は高級キーボード中ではトップクラスにマシです。でも、静かめなパンタグラフキーボードや、一般的なキーボードの静音モデルと比べると結構うるさいです。それなりの音量が出ます。静音を名乗るならもうちょっと頑張ってほしかったというのが本音です。

普通のアルファベットのキーを打鍵してると底打ち音がしますし、軸が擦れる音や、キーが動く時のカチャカチャ音もまあまあします。まあそのへんは許容範囲内なんですが、エンターキーやスペースキーなどのスタビライザーが入っているキーがめっちゃうるさいです。

これはMajestouchもそうなんですが、スタビライザー入りのキーは構造上めっちゃうるさいです。ボコッという底打ち音もでかいですし、さらにキーンというような残響音がします。静音モデルなのにそれはないでしょってのが本音です。

当機種はたぶん、静音性にまったく配慮されていないProgresTouchの、軸だけを静音モデルに替えただけの機種なのでしょうがないんでしょうけど、静音性を期待して購入するとかなりがっかりくると思います。カノジョが後ろでウトウトしていたらコイツを使う気にはなれません。そんなシチュエーションねえけどな、カタカタッターン!オラァ!起きろ!!

現行最高級キーボードかも?

いろいろ比較してきたんですが、キートップが二色成形だったり、キートップが分厚かったり、ケーブル取り外し可能だったり、スタビライザーの針金が埋め込まれていたりするので、全体的にMajestouchの上位互換として作られている印象があります。

全体的にとにかく造りが良くて金がかかっています。造りをよくできるところは全部良くしてやろうという姿勢で作られたキーボードです。悲しいことにCherry製メカニカルスイッチなので耐久性はRealforceほどじゃありませんし、Cherry軸が嫌いというキーボードマニアも多いので好みは分かれるとは思いますが、本体のクオリティだけ見れば、現行のキーボードで一番造りにこだわっている最高級キーボードかもしれません。

ガンガン購入して楽しいキーボードライフを送りましょう。終わり。

せろりんでした。

 

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