エレコム製トラックボールHUGEのチャタリング修理とギシギシ改善方法

トラックボール

せろりんです。

ここ1年半ほど、メインのポインティングデバイスとしてエレコムのHUGEってトラックボールを使っていたんですが、最近少しだけ左クリックのチャタリング(1回しかクリックしていないのに2回クリックしたように認識される現象)が起こるようになりました。

6ヶ月の保証は当然切れているので分解修理をすることにしました。

おれはいろんなトラックボールを分解しまくっているんですが、HUGEの分解は初めてですし、あんまりネットに情報も無いみたいなので修理の過程を記事にします。

※分解及び改造によって保証や修理対応等のサポートが受けられなくなる可能性があります。完全に自己責任で分解しましょう。分解した結果オシャカになったり怪我をしたとしても自己責任です。この記事の内容にどんな瑕疵があったとしても絶対おれ及び当サイトのせいではありません。もちろんELECOMのせいでもありませんし妖怪のせいでもありません。また、当記事はすべてド素人による素人修理の風景です。真に受けて真似してぶっ壊したとしても責任はもちろん負いません。直ったらおれのおかげ、壊れたら修理した人のせいです。なんでこんなに念を押すかというとHUGEは数あるマウスやトラックボールの中でも構造がとても複雑で壊しやすいからです。マウスやトラックボールを分解することに慣れていたとしてもぶっ壊すかもしれません。ちなみにおれはマウスやトラックボールを分解することに慣れていますが一部ぶっ壊しました。

チャタリング発生したぞ~

1年半くらいバリバリ使っていたら左クリックがチャタリングするようになりました。どのくらいバリバリ使っていたかというと、自宅で1日平均8時間くらい使っていました。何を隠そうおれはネット廃人です。

1日500回くらいはクリックしていたと思うのでざっと30万回くらいクリックしたことになります。オムロン製スイッチの寿命を考えると壊れるのはしゃーないですね。

さらにHUGEくんは、使ってると1ヶ月くらいで、クリックしたときにギシギシ音がするようになります。正直めっちゃギシギシ言うので微妙です。ずーっと気になっていたんですが、今回分解したところギシギシ音の改善方法がわかったのでそれも紹介します。

分解するぞ

ネジがゴムの裏に隠れているので、ゴムを全部はずします。雑に剥がすと接着剤みたいなのが本体に残って微妙なので、丁寧に剥がすと良いです。剥がしたやつは、梱包なんかに使う太いセロハンテープみたいなやつの粘着しないほうの面にくっつけておくと扱いやすくて便利です。

ネジは皆大嫌いトルクスねじ(ヘクスローブ)です。星型の特殊なネジですね。ここでブラウザをそっ閉じする人は多そうですが、トルクスレンチは結構安く売ってるのでコイツの修理のためだけに買っても全然いいと思います。

トルクスですがネジなめ覚悟で頑張れば一応小さいマイナスドライバーでも分解することは可能かもしれません。

我が家のトルクスドライバーです。Amazonで800円くらいで買いました。30種類くらいドライバーがついていて便利です。これでロジクール製トラックボールM570を筆頭にたいていのマウスが分解できます。おすすめです。

ゴム足の裏と電池ボックスの中のほか、ボール取付部にも2つねじがあります。

ネジを全部外すとパカっと開きます。開かないのであればネジが残っている可能性が高いです。

それぞれ配線で繋がっているので勢いよく開けると線がちぎれる可能性があります。ゆっくり開けましょう。写真中央に写っている黄色と黒と赤の線は、白い端子を上に引き抜くと簡単に取り外せます。

この白い平らなケーブルは、接続部の黒い部品を上に上げる外せます。まあ必要がなければ外さないほうが良いとは思います。

チャタリングを治そう

エレクトロニッククリーナーでチャタリング修理していきます。技術に自信がある人はスイッチ交換してもいいかもしれません。

さて左クリックや戻るボタン、進むボタン、ホイールが取り付けられている基盤が、プラスチック筐体と一緒の塊になっています。そいつをプラスチック筐体から取り外しましょう。基盤に付いているネジを外すと簡単に取り外せます。

右奥に写っている直方体のオムロン製マイクロスイッチが左クリックのスイッチです。左の正方形に灰色の丸のやつはホイールクリック、手前の正方形に黒い丸のやつは戻るボタンと進むボタンです。

ここで登場するのがみんな大好きクレのエレクトロニッククリーナーです。電子部品を清掃するためのクリーナーです。こいつをスイッチに吹きかけるとチャタリングが高確率で直ります。

チャタリング修理は、「接点復活剤」という名前で売られているスプレーを使うのが一般的ですが、エレクトロニッククリーナーでも大丈夫です。バイクとか自動車に使う「パーツクリーナー」ってやつでも多分大丈夫だとは思いますが、プラスチックに対する腐食性があるかもしれないのでなんとも言えません。似たようなデザインのスプレー「クレ556」は多分ダメです。油が残るのでよくありません。まあ飽和炭化水素系の溶媒だったらなんでもいいような気はします。無水アルコールでもいけるかもしれません。

マイクロスイッチに接点復活剤を噴霧します。他の部分に付着するとまずいので、少量だけ垂らすようにつけるべきです。したがってこの写真は悪い例です。

たらした後は、ピンセットの先などの汚れていないモノでスイッチを30回くらいカチカチして、もう1回たらしてカチカチして、というのを4セットくらいやりましょう。ここをめんどくさがってあんまりやらないと直らないこともあります。

接点復活剤での修理は一時しのぎでしかありません。たいていの場合、最低でも半年くらいは大丈夫ですが、いずれは症状が再発します。接点復活剤ではスイッチの機械的な摩耗は治らないので、根治を目指すならスイッチを買ってきてはんだ付けをするべきです。

ただしスイッチのはんだ付けはまあまあリスキーです。基盤を焦がしてオシャカにすることがたまにありますし、はんだ付けが下手で少しでもスイッチが浮いているとクリックができなくなります。なによりはんだ付けは結構めんどくさいです。おれはスイッチ交換を結構頻繁にやるのでまあまあ慣れているほうですが、それでもたまにやらかすので、接点復活剤をかけただけでで直るうちはそうしたほうがいいです。

あと、基盤やホイールをプラスチック筐体から取り外しましたが、そこまでする必要もなかったかもしれません。本体だけ分解してしまえば隙間からマイクロスイッチに接点復活剤を噴霧することはできたと思います。あんまり分解するとリスクが高いですし、いろいろ面倒なので、本体の分解だけして基盤は取り外さずに隙間からマイクロスイッチに接点復活剤を噴霧したほうがいいかもしれません。

ギシギシ音のなおしかた

さてこれでチャタリングの修理は終わりです。そんじゃあ次はギシギシ音の修理としゃれこみましょう。

さてギシギシ音の原因は長らく不明だったんですが、原因はプラスチックがこすれる音っぽいです。これが判明したのっておれの中では結構な事件なんですよね。マウスやトラックボールってってなぜか経年劣化でギシギシ言うものがあるんですが、どの機種でも原因がプラスチックの摩擦なんだとしたら同じ修理方法で治せる可能性があります。

てことで、こすれる部分にグリスを塗りまくると治ります。可動部は手の触れない内部にあるのでベッタベタにしてもかまいません。

ちなみにこのプラスチック筐体とボタンの可動部を剥がす作業は、ボタンに付いているツメがめちゃくちゃ折れやすいためかなりリスキーです。実際おれは進むボタンのツメを折ってやらかしました。正直、ギシギシ音がそこまで気になっていないのであればここは手を触れないほうが絶対良いです。

どのご家庭にも余っているであろう自転車用のグリスを使います。パークツールのPPL-1というグリスです。1000円しないくらいですね。こいつを綿棒につけて可動部に塗りたくります。ただしこういったグリスはプラスチックを腐食するかもしれないので完全に自己責任でやりましょう。マジでどうなってもしらんぞ。うちの機種は今の所大丈夫ですが、1ヶ月後2ヶ月後となったらどうなるかわかりません。

そこらじゅう塗りたくったんですが、主なギシギシ音の発生源は赤い丸で囲んだところっぽいです。左クリックの一番奥のあたりですね。ここにグリスを塗ったらめっちゃ静かになりました。他の部分はあんまり関係がなかったみたいです。ここだったらわざわざ分解しなくてもシリコンスプレーを噴霧すれば油が行き届くかもしれません。でもグリスを丁寧にぬってやったほうが効果は長続きすると思います。

蓋を閉めよう

左クリックから出るギシギシ音はほぼなくなりました。分解したトラックボールをもとに戻しましょう。

もとに戻すときの注意点としては、ちゃんと抜いたケーブルを元通りにすることと、こちらのスライドスイッチがしっかり動くか確認することです。

プラスチックのスライドボタンと基盤のボタンが噛み合っていないと正常に動作しません。スライドボタンをLOWに合わせて、基板側のスイッチもLOWに合わせれば問題なくもとに戻せます。

分解したときと逆の工程でネジを戻しましょう。ただし、パーツをはめたら、ネジを締める前に全てのボタンが正常に動作することを確認したほうがいいです。ネジ締める前に動作確認をするというのは分解の基本です。

ちなみにおれは慢心して進むボタンのツメの付け根を折ってしまい、進むボタンが勝手に外れるようになってしまったので、このようにペットボトルの切れ端とグルーガンを使って外れないように修理しました。見た目はダサいですが機能的には完治です。

仕事が雑なおれがやった作業とはいえ、トラックボールを分解しまくっているおれでもやらかすくらい内部構造が複雑なので、自信がない人は無茶しないほうがいいと思います。

M570なんかはチャタリングであればまじで拍子抜けするくらい簡単に修理ができるんですが、Hugeはそうはいきません。ホイールの構造なんかも複雑なので最悪戻せなくなる可能性もあります。下手に弄らないほうが良いです。

保証が残ってるなら絶対保証を使うべきだし、しっかり直したいんだったらElecomになおしてもらったほうが良いかもしれません。分解慣れしている人であっても、オシャカにするかもという覚悟はもった上で分解すべきです。

終わり。

せろりんでした。

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