せろりんでーす。例のOCNのセールで、Xiaomi Redmi Note 9Sを1万円くらいで手に入れたので、1ヶ月使った上でのレビューをします。
Redmi Note9Sってどんなスマホ?
Redmi Note9SはXiaomiのスマートフォンです。特徴はなんといっても定価で2万5000円程度の圧倒的安さと、そのわりにSnapdragon 720GというAntutu28万点くらいのSoCを積んでいるハイスペックさです。
もうひとつ特徴があるとすれば、6.67インチというデカめのディスプレイです。現在主流のディスプレイサイズより一回り大きく、まさにNoteといった存在感です。
ACアダプタとType-Cケーブルが同梱します。イヤホンジャックは付いていますがイヤホンは付属しません。
そんで18W急速充電に対応しますが無接点充電には対応しません。
SIMピンと透明なTPUケースと謎の紙です。
おれが買ったのはグレイシャーホワイトというカラーです。真珠みたいな白で美しいですね。
カメラは4眼です。それぞれ広角カメラ、超広角カメラ、マクロカメラ、深度センサーです。
物理指紋センサーが側面に付いています。電源ボタンと一体型になっているタイプですね。
もうひとつ特徴があるとすれば、5020mAhという、とてもデカい容量のバッテリーを搭載していることです。じゃあレビューしていきます。
ぼちぼちかっこいいけどパンチホールはやめよう
前面です。ハイエンドなスマホと比べると下部ノッチの太さが少し気になりますが、定価が2万5000円以下であることを考えると頑張っているほうです。
パッと見は結構かっこいいです。
最近の流行りではあるんですが、画面に穴が開いているかのようにインカメラが埋まっています。こういうのをパンチホールと言うんですが、この方式はせろりん的にはナシです。めっちゃ目立ちますし、通常のティアドロップノッチやウオータードロップノッチ(しずく形状のもの)よりも画面を専有してしまっている感じがします。
パンチホールにするにしても、せめて画面左端に穴を開けてくれればいいのに、中央にドーンと穴が開いているのでかなり気になります。
幸いなことに「ノッチを隠す」という機能を使えば、通知バーの色を黒くすることでパンチホールの穴を隠すことができます。ただしこの機能にも後述するように欠陥があります。
さらに残念なのは最初から貼ってあるフィルムです。イマドキの中華スマホは大変ありがたいことに最初から保護フィルムが貼ってあります。
どっこいRedmi Note 9Sは保護フィルムに開けてあるインカメラ用の穴が微妙にズレています。貼るのが下手な人が貼ったんでしょうか。そもそも人間が貼っているのかも謎ですが、このズレはさすがに気になります。
2万5000円で買えるスマホなので許してやりたいところではありますが、どうせ貼るならもっと丁寧にやってほしいです。このズレは結構気になるので、おれは保護フィルムを捨ててケースも付けずに裸族運用をしています。ケースもフィルムも付けないとメッチャ快適です。ただし裸族運用は壊れてもそこまで痛くない安いスマホだからこそできることではあります。
背面はかなり美しいです。せろりんはグレイシャーホワイトというカラーのを買いました。グレイシャーはそういう名前のアメリカの国立公園らしいですね。
ディスプレイ品質が正直微妙
さてRedmi Note 9Sは定価2万5000円ほどという超激安のスマートフォンなので大抵のことは許されます。
ところが2万5000円でもちょっとナシだな~とおれが思うのはディスプレイです。Redmi Note 9Sは安さを考慮してもディスプレイ品質がイマイチです。
「ノッチを隠す」機能で通知バーを黒くして、パンチホール式のインカメラを目立ちにくくした状態です。ところがインカメラが通知バーからすこしはみ出ています。さらにインカメラの周辺は若干ですが輝度が下がっていて明るさにムラがある気もします。
些細なことではありますが、正直かなり気になります。ノッチを隠さないとパンチホールが気になるし、ノッチを隠すとはみ出している部分が気になります。
さすがに不良品かも、と思ったんですが、Twitterで調べてみるとこの症状が出ている人はわりとたくさん居るようです。
おれは放出系なので細かいことはあんまり気にしないほうではあるんですが、このはみ出し方はさすがにかなり気になります。安いから許してやりたいところですが、同じ格安スマホでもファーウェイあたりはバッチリな見た目で勝負してくることを考えると、妥協すんなよと言いたくなります。
もうひとつ気になるのは視野角の狭さです。Redmi Note9Sは視野角があまり広くないです。
上の写真を見てもなんとなくわかるように、斜めから見た時は写真が全体的に暗く、さらに黄ばんだように見えています。
こういう現象って液晶モニター特有の現象で、特に昔のパソコン用モニターではよくあった現象なんですが、イマドキはさすがにかなりマシになっています。でもこのスマホはイマドキのスマホにしてはちょっと視野角が狭めです。
もちろん使い物にならないほどひどいわけではなく、むしろ全然普通に使えるんですが、画面がデカいのも相まってそこそこ気になるのも事実です。
やっぱしRedmi Note 9Sのディスプレイの品質は値段なりか、あるいは値段以下だと思います。Redmi Note9Sの強みは、値段の割に性能の高いCPUと、デカい画面です。でも大迫力のキレイなディスプレイでゲームがしたいなあ、なんて思っているのであればあまり期待しすぎないほうがいいでしょう。
2年経ってもぼちぼち動きそう!
Redmi Note 9SはSnapdragon 720Gというイマイチ聞き慣れないSoCを搭載したスマートフォンです。
Snapdragon 720Gがどのくらいの性能なのかというと、みんな大好きAntutuベンチマークで大体28万点くらいを叩き出すSoCです。Huawei製2万4000円安物スマホP30 lite(17万点)には圧勝だけど、Google製10万円高級スマホPixel4(40万点)には負けるという数字です。
そんで、実際に使用感もそんな感じです。Antutu10万点台以下のスマートフォンとは、ブラウザでウェブサイトを開いたときの処理速度が結構違います。一方で、おれが持っているAntutuベンチマーク37万点のHuawei P30(8万円)よりはワンテンポ遅れる感じもします。
で、確かにお高いスマホを横に並べてヨーイドンでヤフージャパンのトップページとかを開いてみると、お高いスマホのほうがワンテンポ早いには早いんですが、じゃあ遅くてムカつくかというとそんなことはありません。重いゲームをするのはちょっと無理かもしれませんが、ネットみてYoutubeみてTwitterみてLineする程度ならぜんぜん十分です。
携帯を選ぶ上で重要なのは、今ぜんぜん十分だからといって1年後2年後にぜんぜん十分とは限らないということです。長いこと使っているとスマートフォンはどんどん重くなっていくし、アプリケーションやウェブサービスもどんどん重くなっていくので、おれたちは1年後2年後でもサクサク動くスマホを買う必要があります。このへんはいわゆる格安スマホの罠でもあります。2万円程度で買えるスマートフォンはいろいろありますが、多くは2年経った頃には遅くてムカついてしまう程度の性能しかありません。
で、Redmi Note 9Sがどうなのかと言えば、おそらく2年後でも余裕を残していると思います。Antutu28万点といえば中の上くらいの処理能力なわけです。おれの経験から言うと、中の上くらいのSoCを積んでいれば2年経ってもぼちぼち使えます。本当のところは2年経ってみないとわかりませんけどね。
定価2万5000円という価格でこれだけの性能のスマートフォンを買えるというのは異常に頑張っていると思います。このスマートフォンの強みはCPUの性能と画面のデカさです。カネはないけどレスポンスにこだわりたい人にはいいんじゃないでしょうか。
カメラは値段なり AI Quadカメラは名ばかり
Redmi Note 9Sはカメラにこだわってる感を出しているスマートフォンです。ところが騙されてはいけません。安いスマホのカメラは、例外なくすべてそれなりの性能です。
したがって、AI Quad Cameraとか言っているRedmi Note9Sも、実は特別すばらしいカメラを積んでいるわけではありません。AIとは名ばかりだし、Quad Cameraも名ばかりだからです。ただし、2万5000円だからしょうがないです。カメラはスマートフォンの値段が一番反映されるパーツです。安いスマホのカメラは全てそれなりです。大事なのは、クアッドカメラだからすごそう、という印象だけで、カメラ目当てに飛びつかないことです。
レンズを4つ搭載することで、やってる感を演出しているカメラユニットですが、4つのカメラの内訳を見てみればカメラの大した事無さがよくわかると思います。カメラの構成は次の通りです。
・4800万画素 広角カメラ
・800万画素 超広角カメラ
・500万画素 マクロカメラ
・200万画素 深度センサー
マクロカメラは近くのものを大きく撮影するためのカメラですけど、ぶっちゃけそんなの使いません。深度センサーも人の顔を撮影するときに自動で使われるくらいで、基本的には裏方の仕事しかしません。
4つのカメラのうち、マクロカメラと近接センサーは使いみちがほとんどありません。なので、実際には広角と超広角の実質デュアルカメラです。広角と超広角の2つだけだとちょっと物足りないです。やっぱり望遠レンズはほしいですね。でも2万5000円なので望遠レンズを搭載していないのは当然です。
ちなみにマクロカメラを使えばここまで大きく撮影することができるので、マクロを使って使って花や昆虫を撮影してみるのも面白いかもしれません。ただし日常生活でマクロカメラを使うかと言われるとかなり微妙です。小さいものを撮影する機会が単純に少なすぎる上に、マクロカメラに切り替えるのが面倒だからです。
Huawei製の一部のスマートフォンや、イマドキの本気でカメラにこだわったスマートフォンには、撮影しようとしている状況をAIが判断して最適な設定で撮影してくれる機能があります。おれが愛用しているカメラ最強スマートフォンHuawei P30もそんな機能が付いています。Huawei P30は被写体が近くにあるとAIが自動で撮影モードをマクロに切り替えてくれます。これこそがホンモノのAIカメラです。
一方でRedmi Note9SのAIはと言うと、そんなことすらやってくれません。近くのものを撮影したいのであれば、人間様が設定ボタンをタップして「マクロ」と書いてあるところをタップしなければなりません。
Huawei P30ほどAIが優秀なら、マクロカメラも大変すばらしい働きをしてくれます。近くのものを撮影したいシチュエーションはたまにあります。ところがRedmi Note9Sの自称AIは撮影モードの自動切り替えをやってくれないので、せっかくのマクロカメラも持ち腐れです。おそらくですが、Redmi Note 9Sを購入してからマクロカメラを一度も使っていない利用者はかなり多いはずです。AIが雑魚いだけにせっかくの装備が有効活用されないのは非常にもったいないことです。
これがRedmi Note 9Sで撮影した街です。定価2万5000円という値段を考えれば頑張っているほうではあります。
一方でこっちがHuawei製高級スマートフォンP30の写真です。一番違うのは、写真中央部の雲でしょう。Redmi Note 9Sの写真は雲の一部が明るすぎて真っ白になってしまっています(白飛びと言います)が、P30では雲の形がきっちり表現されています。これは恐らくAIがしっかり働いて、自動で補正をしてくれている証拠です。
マツモトキヨシの看板を見てもRedmi Note 9Sはちょっと色がおかしいです。マツモトキヨシの看板の色が濃すぎます。実際にはP30の写真のように、もっと薄くて鮮やかな色です。
Redmi Note 9Sの写真です。安いスマートフォンが苦手だとされている夜間の撮影ですが、ぶっちゃけかなり綺麗ですね。十分っちゃ十分です。2万5000円のスマートフォンでここまで戦えるのは驚異です。
こっちはカメラ最強スマホ Huawei P30の写真です。比べちゃうとこっちのほうが圧倒的に綺麗ですね。一番わかりやすいのが「650台」と書いてある看板です。クリアさが全然違いますね。
木の葉っぱも、Redmi Note 9Sは塗り絵みたいになってしまっている一方で、P30は比較的細かい部分も描写できています。
P30のような暗いところに強いスマホを持っていると、飲み会の後の集合写真で顔がしっかり撮れたり、薄暗い飲み屋で料理が綺麗に撮れたり、星を撮れたり、夜景を撮ってゆるキャンごっこができたりするので、とても便利です。Redmi Note 9Sも、値段のわりには暗いところに強いカメラを搭載しているとはいえ、やはり本気でカメラ作りに取り組んでいるスマホと比べると、画質はそれなりと言うしかありません。使いもしないレンズを搭載することで無理やり「クアッドカメラ」にしたり、あまり役に立たないAIを搭載して「AIカメラ」と言い張ったりしてカメラこだわってる感を出して売るやり方には、おれとしては賛同できません。けど、値段を考えるとかなり優秀なカメラを搭載しているのも事実です。
バッテリー持ちが死ぬほど良いぞ
Redmi Note 9Sは5020mAhものバッテリー容量を持つスマートフォンです。この数字は他社の高級機種と比べても圧倒的にすごいです。どれくらいすごい数字なのかという話なんですが、iPhone 11 Proが3190mAh、Google製のお高いスマホPixel 4が2800mAh、Oppoの新作スマホReno 3Aが3600mAhです。
デカいバッテリーを積んでいる代償として本体はかなり重いです。Redmi Note 9Sの重量は209gです。iPhone 11 Proが188g、Pixel4が162g、Reno 3 Aが175gと考えると、非常にずっしり来る重さです。スマホって10グラム違うとかなり重く感じますから、209gはちょっと勘弁してもらいたいのが本音です。
実際に使ってみてもバッテリーはかなり持ちます。たとえばこれはある一日のバッテリー残量の変化です。朝7時くらいに起きました(おれにしては大変な早起きです)。そのときは45パーセントくらいバッテリー残量があったようです。
そのまま家で過ごしたり散歩に出たり友人とメシを食べに行ったりして日常系アニメみたいな日常を過ごした結果、22時の時点でまだ19パーセント残っています。
一日普通に過ごしても26パーセントくらいしかバッテリーが減りません。超すごいです。
実際、普通に生活を送っていれば2,3日は余裕でバッテリーが持ちます。すごいですね。おれもいろんなスマホを使ってきましたが、ここまでバッテリーが持つスマホは知りません。
スマートフォンを選ぶ上でバッテリーの持ちはとても重要ですが、実はそれと同じくらい、充電のスピードも大事です。
で、Redmi Note 9Sは18Wの高速充電に対応しています。18Wというのは特別早くはないですが、かといって遅くもなく、いまどきのスマホのスタンダードなスピードです。たとえばiPhone 11 Proも18Wです。
で、グラフを見てみると、残り20パーセントしか無い状況から、1時間20分ほどで100%まで充電できています。1分1パーセントくらい充電できます。
イマドキのスマホの充電スピードとしては、めっちゃ早くはないですが遅くもなく、十分快適に使えるレベルだと思います。
その他
たまにバグる
たまーにバグって操作を受け付けなくなることがあります。謎です。
特にGoogle Chromeが操作を受け付けなくなる現象はちょいちょい発生します。そこまで気にはなりませんし、アップデートで改善しそうな気もしますが、今のところはそのへんの作り込みは甘いのかもしれません。
画面に傷が付きやすい?
おれはフィルムを剥がして裸族運用をしています。で、1ヶ月経ったんですが、結果的に画面が傷だらけになっています。謎です。
Redmi Note 9Sはゴリラガラス5という今どきのスマホのスタンダードな硬いガラスを採用しているはずなので、そう簡単に傷がつくことは無いと思うんですが、なぜか傷がたくさん付いてしまいました。おれもいろいろなスマホを裸族運用してきましたが、ゴリラガラスを採用したスマホには傷なんてめったにつかないものなので、1ヶ月ちょっとの期間で傷が無数に付いてしまうのは不思議です。当然といえば当然ですがフィルムは貼ったままのほうがいいかもしれません。
指紋センサーは早くはないぞ
指紋センサーは電源ボタンと一体型になっています。認識スピードはだいぶ遅めかもしれません。Huaweiなどの背面指紋センサーを搭載した認証がガチで早い機種と比べるとワンテンポ遅れる感じはします。側面指紋センサーってこんなものなのかもしれませんが、最新の機種としてはちょっと気になる遅さです。
ダメなところも多いけど2万5000円なら買い!
いろいろ見てきましたが、やっぱりダメなところは多いです。特にディスプレイ品質は正直かなりガッカリ来るものがあります。
無接点充電とか、画面内指紋認証とか、そういう最近の技術に一切対応していないのもちょっとがっくりくるポイントです。
しかし2万5000円という安さでSnapdragon720Gという高性能SoCを搭載しているので全てが許されます。
正直に言うと、ある程度完璧なスマホがほしい人はもうちょっとお金を出したほうがいいと思います。でも、SoCの処理速度か、バッテリーの持ちか、画面のデカさのいずれかにこだわりたい人で、しかも予算があんまり無いのであれば全然いいと思います。
終わり。
せろりんでした。
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