Logi ERGO M575レビュー│上質で使いやすいよ神トラボ

トラックボール

せろりんでーす。ロジクールのERGO M575を買いました。

結論としては、5ボタン+チルト無しという機能の少なさに不満が無いわけではないものの、機能性を追求しすぎない代わりに安さと使用感の上質さにこだわった素晴らしいトラックボールだと感じました。メッチャ満足しています。レビューを書いていきます。

ERGO M575ってどんなトラックボール?

ロジクールのERGO M575は2020年の11月に発売されたトラックボールです。ロジクールのM570という機種を10年ぶりにリニューアルする形で発売されました。

箱です。小さめの箱ですね。買ったのはオフホワイトという色です(M575OW)。せろりん家には、ガジェットは一番変な色を買え、という家訓があるので、家訓に従ってホワイトを買いました。「ホワイトって別に変じゃないだろ」って言われそうで、たしかにその通りなんですが、とはいえここまで真っ白で統一したデバイスってなかなか無いですよね。

開封するぞ!

開封しました。

梱包が異常に簡素です。衝撃を吸収するものが、この丸めた厚紙だけです。まあ、マウスなんてバシバシ机に叩きつけても壊れないですから、このくらいでもいいと思います。エコですね。

ホワイトが思ったより真っ白で眩しいです。ボールはラメ入りの青で、なんだかかわいいですね。左右ボタン、中ボタン(ホイールクリック)、戻る進むボタンの5ボタンマウスです。チルト(左右スクロール)には対応していません。

おれは商品写真を見たとき「ボディーはゴムみたいな質感のマット仕上げになってるのかな?」って思ったんですが、そんなことはなく、普通に硬いプラスチックです。

本体のほかに、保証書、保証の規約、Bluetoothの接続方法が書かれた説明書(緩衝材の厚紙も兼ねている)が付属します。あと単3電池が1本ついてきます。

電池ボックスには無線のレシーバーを収納することができます。背面には電源ボタンのほか、Bluetoothを飛ばすボタンも付いています。この機種はLogicoolの独自無線規格「Unifying」だけではなくBluetoothにも対応しています。

支持球は白いセラミックスの三点支持です。ボールはロジクール公式だと35mmということになっています。M570は34mmなので、数字上はM575のほうがデカいことになります。でも実際に触ってみてもM570のボールよりデカい感じはしませんし、M570のボールはM575でも使えますし、M575のボールもまたM570で使えます。数字では1ミリデカくなってることになりますが、実際は34mm球と変わりません。謎です。

型番M575/M575OW
メーカーLogicool
接続方式Unifying(USBレシーバー,Logicool独自規格)/Bluetooth
センサー光学式
支持球セラミックス
ボール直径35mm
ボタン数5
チルト(横スクロール)無し
電源単三電池1本
その他機能無し
本体重量145g
保証期間2年(ブラックは1年)

レビューしていきましょう。

ちょっと触っただけで尋常でない質感だと見抜いたぞ

ちょっと触って驚いたのが質感の高さです。おれもいろんなトラックボールを触ってきましたが、こんなに質感が良いトラックボールはそうそうありません。

といっても、見た目の高級感とか、手触りの良さみたいなものは言うほどでもないです。プラスチックはザラザラしていて、人によっては安っぽいと感じる人もいるんじゃないでしょうか。この機種のマジでスゴいところは、ボタンの押し心地です。M575の元になったM570と比べると、明らかに戻るボタンと進むボタンの押し心地がよくなっています。M570の戻る進むボタンはカチカチ感がかなりトガっていましたが、M575はボフボフといった感触で、押したときの雑味が一切ありません。音も静かです。

しかもボディーの剛性がかなり高めに作られている印象です。強めに握っても、ボディーが歪んだり、きしんだりしている印象がほとんどありません。がっちり作られているみたいです。

分解してみたところ、M575のガッシリ感の理由がわかりました。筐体裏面に複雑に補強材が張り巡らされています。すごいですね。ここまで親の仇のように補強材が入っているマウスやトラックボールはなかなかありません。めっちゃこだわってます。

こちらの記事で分解レポートをしているので、気になる人はリンクを中ボタンでクリックして新しいタブで開いて後で読んでいただけると幸いです。

そんで、こうした全体的なフィーリングの上質さは、前作のM570と比べると大幅に改善されています。しかもそれだけではなく、今売られているいろいろなトラックボールの中でも、かなり上等なほうだと思います。特に5000円程度で買えるトラックボールの中では随一の上質さです。マウスの王、ロジクールが本気を出してきたな、という印象です。

ホイールクリックがマジで良い

前機種のM570を使っていて、ほとんど唯一のデカい不満だったのが、ホイールの品質です。M570のホイールは、回したときにガリガリとうるさく不快な音がして、しかもホイールを押したときの感触が微妙でした。おまけにすぐぶっ壊れる印象もあります。なんだかんだ普通に使えはしましたが、本体の値段を考えると正直微妙だと思っていました。ホイール、特にホイールクリックは後継機種を出すならぜひ改善してほしいと熱望していた部分でした。

現代のウェブブラウザはホイールクリック(中ボタン)を多用する設計になっています。リンクを中ボタンでクリックすると新しいタブを開くことができますし、タブを中ボタンでクリックするとタブを閉じることができます。

そういう機能をまったく使わない人もいるかもしれませんが、おれはホイールクリックをゴリゴリに使います。なのでホイールクリックの使いやすさはめっちゃ大事です。世の中にはホイールクリックがなっちゃいないトラックボールが多すぎます。

で、ホイールクリック警察のおれから見て、M575の中ボタンは死ぬほど良く出来ています。まず、ホイールをクリックしたときの沈み込みが浅いので、素早く押すことができます。ボフボフという感触で、音もかなり静かです。押し込んだときのバコバコ感や、押し込むと同時にホイールも回ってしまうような不安定感が全く無く、思い通りの操作ができます。ホイールを回したときの感触はそこまでメッチャいいわけではないですが、M570よりはいくらか良くなっていて、それなりに満足できます。

1万円以上するような高級マウスと比較しても(左右スクロール機能こそ無いですが)質感だけなら遜色ありません。ホイール警察のおれも満々満足一本満足です。マウスの王・ロジクールの面目躍如ですね。

この機種にはチルトホイール(左右スクロール)が付いてきません。そこは正直残念なんですが、チルト機能が付いていると、そのせいでホイールの操作感が悪くなるのもまた事実です。チルト機能を排除した上でホイールクリックの上質さを追求したのかな?と思うと、左右スクロールが使えないのも納得です。まあ実際はチルトが使える上位モデルMX ERGOの需要を喰わないように低機能にしているんだとは思います。

操作しやすい!親指操作の快適さを追求した形状設計だぞ

形状は概ねM570と一緒です。「筐体の角度が調整されていてM570より快適」と言っている人も多いようですが、個人的には角度はほとんど変わらないと思います。形状は全体的にM570と一緒です。

ただし、M575のほうが若干大柄な印象を受けます。実際、寸法を見てもM570よりM575のほうがデカいです。たとえば机に置いた時の高さが3ミリ違います。たったの3ミリ?と思わなくもないですが、いざ触ってみると、けっこう違うように感じます。

おれとしては、M570のサイズのほうが手の収まりがよかったな、と感じます。でもM575もデカくなったぶん様々な工夫がされていて使いやすいです。

たとえばM570(黒)と比べてM575(白)のほうが左右ボタンが明らかにデカくなっています。ボタンがデカいので、どんな手の人がどんな持ち方をしてもボタンが快適に押せるようになっています。全てをデカめに作ることで、逆に手がちっこい人でもゆったりとした余裕の操作が可能になるわけです。ELECOM HUGEの設計思想と同じですね。

戻る進むボタンも進化しています。M570は進むボタンがやや盛り上がっていて、戻るボタンを押すときに微妙に邪魔に感じてしまうんですが、M575は進むボタンが下がっていて指にフィットしやすく、押しやすさが向上しています。

ただ、形状に関してはべつに進化したとも思わないです。ボタンがデカくなったり、戻る進むボタンの形状が改善されていたりする一方で、やはり筐体がほんの少しデカくなっているので、プラマイでゼロかなと思います。元のM570がそもそもかなり優れた形状だったので、プラマイゼロだとしてもやはり優れたトラックボールであることに間違いはありません。

操球感が気持ち良い!支持球には謎の工夫が

M570ゆずりの操球感は大変素晴らしいです。小さい玉でありながら細かい操作もやりやすい滑らかな転がし心地で、思い通りに操作することができるので使っていてムカつきがほとんどありません。それでいて小さい玉特有の、転がしのスピード感も楽しめます。とても気持ちの良いトラックボールです。

最近のトラックボールは、ボールをなめらかに回転させるために、小さい玉が3つついています。そういうのを支持球と呼ぶのですが、この機種には支持球の外側にさらに3つ、プラスチックの突起が付いています。こういう機種は他に見たことがありません。

で、なんでこの突起が付いてるのかは謎なんですが、ちょっと考察してみると、おそらくこれはボールを強く回転させたときのガタツキ感を抑えるための工夫です。ガタガタ震え始めると、この突起の部分にボールが当たってガタつきが収まるんじゃないでしょうか。

これはただの憶測ではあるんですが、でもまあ、実際に玉を高速回転させてみてもガタつきはほぼ無いので、おれの思った通りにうまく作用してるのかもしれません。素晴らしいこだわりですし、独創性があって大変感心します。トラックボールマニアのおれもニッコリです。さすがはロジクール、おれにマウスの王と呼ばれてるだけあります。やることがいちいち違いますね。

UnifyingだけでなくBluetoothにも対応!

ロジクールはマウスの王です。王なので他のメーカーとはやることがいちいち違います。

M575はロジクールが独自に開発した無線規格Unifying(ユニファイング)に対応しています。このメッチャ小さいレシーバー一つで、最大6台のマウス、トラックボール、キーボード、テンキー、ヘッドセットを接続できます。ロジクール製品で身の回りを統一すれば、USBポートがスッキリします。

しかも、Unifying対応製品はどのレシーバーともペアリングできます。なので、うっかりレシーバーだけ無くしちゃって、本体はそこにあるのにもう二度と使えない・・・みたいな悲しい事故は起こりません。レシーバーだけ買ってくれば使えます。他のメーカーだとレシーバーと本体が完全に一対一で対応しているので、レシーバーをなくしたら本体はオシャカです。悲しいですね。

おまけにUnifying製品は電池が死ぬほど持ちます。M575は最長24ヶ月も電池が持つと、ロジクールは主張しています。「いやいや、そう言ってるだけで実際はすぐ電池切れるんでしょ」と思っちゃうところですが、おれの経験上、Unifying製品はどれもガチで電池持ちが良いのでたぶんウソではないと思います。

無線品質も安定しています。瞬断したり、遅延したりは一切ありません。

なんて素晴らしい規格なんでしょう、Unifying!Unifyingに対応しているのはロジクールだけ!

おまけにM575はBluetoothにも対応しています。いまどきのノートPCはBluetooth機能を内蔵しているので、Bluetoothを使うのであればレシーバーすら必要ありません。すばらしいです。やはりロジクールはマウスの王です。

機能が少ないのはガッカリだけどこれはこれで良いぞ!

M575は5ボタンです。左右クリック、中クリック、戻る/進むボタンの5個です。たいていの人は5ボタンで十分だと思うんですが、個人的にはもう2個くらい欲しかったです。ついでに言えばチルト(左右スクロール)も欲しかったなーと思ってしまいます。

おれはこのM575の発売が決定したとき、「なんだよチルト無しかよ」とか「今どき5ボタンかよ」と思っちゃったんですが、でも、この機種はこれでいいんです。

M575は、5000円という値段の中で、機能はそこそこに絞りながら使用感の良さを徹底的に追求した機種です。今までに無かったタイプの親指トラックボールです。

チルトホイールやボタン数がほしい人はロジMX ERGOや、エレコムEX-G M-XT3とかケンジントンPro Fit Ergoを選べば良いのです。5ボタンチルト無しという低機能の代わりに操作感の良さと質感の高さを追求したミニマリズム的トラックボールなのです。

おれもいろんなトラックボールを触ってきましたが、この機種はかなり気に入りました。Bluetooth付きで5000円前後という安さを考えても、やはり誰にでもオススメできるすばらしい機種だと思います。

耐久性は不明だけど2年保証の商品を買ったほうがいいぞ!

最後に一つなんですが、この機種は発売されたばかりなので耐久性が不明です。耐久性がわかったら追記します。

それはそうと、M575の一つ前のM570は耐久性がかなりイマイチでした。ハードに使うと1年でどこかしらが壊れる品質で、5000円程度するトラックボールにしてはイマイチ感がありました。

それを補っていたのがM570に付いてくる3年保証でした。ロジ3年保証は「トラックボール壊れたぞ!」と連絡すれば直ちに新品の交換品を送ってくれる神保証だったんですが、M575からは最大でも2年保証になってしまいました。

で、M575は保証が2年のものと1年のものがあります。オフホワイトのM575OWとグラファイトのM575GRが2年保証で、ブラックのM575Sが1年です。どちらも中身は一緒です。

M575の耐久性がどの程度なのかはわからないんですが、ロジクールは耐久性がイマイチなことで有名なメーカーで、M575に関しても耐久性が改善していると思う根拠は特に無いです。したがって無難に2年保証を選ぶのがおすすめです。ぜひ保証が2年のものを買って、壊れたらめんどくさがらずに積極的に保証を使いましょう。

とはいえ、いま現在は保証1年の機種なら500円ほど安く買えるので、そんなに頻繁にはトラックボールを使わない人、具体的に言うと週10時間とかそのくらいしかパソコンに触らない人は、ケチって1年保証のほうを買っても良いと思います。あまり使わないのであればどうせ2年以上持つと思います。

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トラックボールにはメンテが必要です。買ったら読みましょう。

M575の分解レポートです。構造が気になる奇特な人は読んでみてください。

コメント

  1. 匿名 より:

    おっ!このトラボ気になってたのでレビュー待ってました!