せろりんです。
マジェスタッチで知られるFILCOブランドでキーボードを作っていたダイヤテックが突如廃業したらしいです。今後は台湾のメーカーが販売とサポートを引き継ぐらしいです。
そういうわけで思い出を語っていきます。
父親のALPS偽白軸キーボード
最近は影響力がなくなってきて遂に廃業してしまったダイヤテックですが、10年くらい前まではメカニカルキーボードといえばFILCOのマジェスタッチ、みたいな風潮がありましたよね。
おれがFILCOに出会ったのは17年くらい前、父親が仕事のPCで使っていたALPS偽白軸キーボードです。


2008年発売で定価7980円、実際は5000円とかで売られてた記憶があります。
いまでこそCherry MX軸とその互換品が主流になっていますが、当時はALPS軸という別系統のスイッチが残っていたんですよね。この商品はALPS白軸の互換品を使っていて、5000円という安さはそこから来ていました。
これがまあ、決して打ち心地が良いわけではなかったんですけど、わかりやすくカチカチ言うメカニカルらしいメカニカルスイッチだったんですよね。当時厨房だったおれは、これを触って、メカニカルってなんかいいな~、買いたいな~と思ったんですよね。


写真はDELL製の関係ないキーボードです。おれが一時期持ってたALPS黒軸キーボードの写真を貼っておきます。これがALPS軸というやつです。
CherryMX軸は2014年まで特許が有効で、それまでコピー品が大々的には作られていなかった一方で、ALPS軸はわりと互換品が普及していた記憶があります。FILCOといえばCherryMX軸というイメージがありますけど、昔はALPS互換軸製品もそこそこ出していました。
マジェ1の茶軸キーボードを買う

(手前が初代マジェ)
そういうわけで、当時中2とかにしてなんとか購入したのが初代マジェスタッチのテンキー付きCherryMX茶軸キーボードです。無刻印のキーボードに憧れがあったので、イキってテンキーの文字をやすりで削って使っていました。
いまはマジェスタッチって微妙に高くてコスパイマイチな気もするんですけど、当時はメカニカルキーボードと言えばFILCOかそれ以外かに大別されるくらいにはFILCOが強かったんですよね。
いま見ても、ベゼル的な部分が狭くてスタイリッシュですよね。ゲーミングキーボード特有の野暮ったいカッチョよさは無いけど、かといって事務用品的すぎもしないカッコいいキーボードだなと思います。
こいつはなかなか悪くないキーボードでした。初めて買った高級キーボードだったこともあって、自分の中で長いこと高級キーボードの基準として君臨していたキーボードでした。
これを買った1年後くらいにおれは東プレのRealforce(奥の黒いキーボード)という最強キーボードを手に入れてしまい、マジェスタッチは一旦お役御免になります。そういうわけでいったん当時の友人に3000円くらいで売ってしまったんですが、「やっぱりいいキーボードだったな」と思い直して、友人がさらに別のキーボードを買うタイミングでもう一度売ってもらいました。最終的にはチャタリングが発生して、いまから5年くらい前に捨ててしまいました。
チャタりが改善されたマジェ2青軸を買う

これも思い出深いキーボードですね~。マジェスタッチ2の英語配列MX青軸キーボードです。当時たしか高校生だったのでイキって迷彩色を買ってます。
そう、マジェスタッチ2です。これがたしか2011年くらいに発売されたキーボードなんですよね。マジェスタッチ1と比較してチャタリングを改善したとされる新商品です。
チャタリングとは、1回しかキーを押していないのに2回押したと認識される故障のことです。チャタリングはメカニカルキーボードの宿命だとされます。同じスイッチを採用していれば同じくらいの寿命で壊れるような気もするんですが、嘘かマコトか、マジェスタッチ1はなぜか同じCherryMX軸キーボードの中でもチャタリングが起こりやすいとネットで評判でした。そこで、チャタリングを改善した、という主張のもとで発売されたのがマジェ2でした。
ところがコイツもなんだかんだ最終的にはチャタリングが起きてしまい、ジャンク品としてメルカリかなんかで売っぱらってお別れになってしまいました。
CherryMX青軸があんまり好きになれず、イキって慣れない英語配列を買ったのもあって、そこまで気に入ったキーボードではありませんでした。でもやっぱり、今みてもカッコいいですよね。当時高校生でワープロ部に所属していたおれは、学校にコイツを置いといて放課後はコイツでタイピング練習をしていました。タイピング大会の本番は家で使ってたRealforceを使いましたけど。


インターネットでは既に「FILCOは壊れないキーボードだ」「壊れなすぎて買い替えが起こらないから潰れてしまった」なんて歴史修正が始まってますけど、FILCOは普通に壊れるし、壊れるで有名だったまでありますよ!メカニカルキーボードである以上、チャタリングから逃れることはできないのです。でもキースイッチ以外の部分が壊れた話は聞いたことがなくて、スイッチ以外は本当に頑丈だったんだと思います。
マジェ2黒軸キーボード

これ今日まで所有歴があったことを忘れていたキーボードでした。カメラロールを見返していて、こんなのもあったな、と思い出しました。
CherryMX黒軸のキーボードが欲しくて買ったんですよね。写真は2018年撮影です。
いまではCherryMX軸キーボードはわりと選択肢がいろいろありますし、CherryMX以外にもいくらでも選択肢はありますけど、この頃はまだFILCOが最有力候補の定番商品として君臨していたんですよね。
特に印象に残っていないですが普通に良いキーボードでした。僕にとって新鮮味がないことが成功の証だと思います。
いやこれガチで冗談じゃなくて、キーボードというのは新鮮味のなさが一番重要だとおれは思います。おれが15年くらい使い続けてるRealforceって、慣れてしまえばわりと無個性な平凡キーボードなんですけど、だからおれはRealforceが好きなんですよね。良い道具というのは存在感が無い道具なのです。
最近はチャラチャラしたキーボードが流行りまくっていますけど、おれは無難で堅実なマジェスタッチみたいなキーボードが好きなんですよね。
しかしコイツは、CherryMX黒軸があまり好きになれずに売っぱらってしまいました。スイッチ以外に不満は無かったですが、いままで買った2枚のFILCOキーボードと違いが無さすぎて面白くないので、そろそろFILCOのキーボードを買うのはやめようかな、とも思った気がします。
さらにこの頃になると、もうおれの中で、Realforceを超えるキーボードはなさそうだからキーボード漁りはやめよう、と踏ん切りがつきます。そうしてキーボード購入から徐々に足を洗って今に至ります。
なんやかんやいいキーボードだった
そういうわけで、思い返せば割といろんなマジェスタッチを通ってきたわけですが、おれ自身はとくにFILCOに特別な思い入れがあるわけではありません。
2015年頃までは「メカニカルキーボードといえばFILCOかそれ以外かの2択」という風潮があるような、割と存在感のあるメーカーでした。そしてそれ以降もそれなりに定番として君臨していましたが、とはいえ他社と比べて技術的に優位なところがあったかと言われると微妙なところかな、と思います。
スタイリッシュで堅実なキーボードとして業界をリードしてきたものの、最近はFILCOじゃないといけない理由は特に無かった印象なので、廃業してしまうのもしょうがないかなと思います。
幸か不幸か、CherryMX軸キーボードというのは、マウントが鉄板でさえあれば打鍵感があまり変わらないのが特徴です。なのでFILCOの打ち心地はほかの似たようなキーボードでも体験できるわけで、それこそがCherry軸の良いところでもあると思います。そういうわけで、FILCOがいったん終わったことで悲嘆に暮れているユーザーもいますけど、そんなに騒ぐことでもないんじゃないかと、おれは思います。
現代のメカニカルキーボード産業は、スイッチをスイッチメーカーが作り、それ以外をキーボードメーカーが作る、という構造で成立しています。そんな中でFILCOというブランドが一つの区切りを迎えたのは、メカニカルキーボード産業が想定している正常な新陳代謝が起こった結果として肯定的に捉えることすら可能だと思います。スイッチを独立して生産できるのはメカニカルスイッチの強みです。スイッチが独立していないメンブレンじゃこうは行きません。スイッチは大量生産が有効な枯れた技術である一方で、キーボード本体に要求される性能は少しずつ変化していくわけです。
とはいえ、メカニカルキーボードといえば鉄板マウントの堅牢な高級品だ、という偉大なイメージを守ってきたのは他ならぬFILCOなんじゃないか、とも思います。キーボードに鉄板を嵌めて剛性を出す技術は昔からありましたけど、高級キーボードと言えば鉄板だというイメージはFILCOが守ってきたと言っても過言ではない気はします。
おれはキーボードの歴史にそこまで明るいわけじゃないのでFILCOの功績がどれくらいデカいのかは評価が難しいですけど、でもやっぱり、FILCOがなかったらメカニカルキーボードをとりまく環境は、良くも悪くも、もっと違うものになっていたんじゃないか、と思います。
個人的には鉄板マウントじゃないCherry軸キーボードも好きではありますけどね。そういう主流から外れたキーボードは別のイケイケ中華メーカーとかが作ってくれることでしょう。
FILCOは堅実なキーボードを売ってくれていた一方で、無線関係の悪評が多かったり、機能面が他社よりショボかったり、Cherry純正軸自体がオワコンになってしまったりと、キーボード業界がどんどん未来的になっていく中で進化が遅れていた印象もあるメーカーでした。
そんな中でFILCOブランドは台湾のメーカーに移管されることになりました。正直な話、PC関係の機器は台湾のほうが作るのが上手な印象があります。これからはFILCOのスピリットと台湾の技術力を兼ね備えた新世代のキーボードをゴリゴリ売っていってほしいですね。
FILCOって個人的にマジでビックリするほど思い入れがないメーカーではあるんですが、おれにとって思い入れが無いことがFILCOの成功の証だったのかもな、とも思います。
せろりんでした。

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