【エレコム DEFT 3年使用レビュー】コンパクトゆえの爽快な操作感

トラックボール

せろりんです。ELECOMのDEFT(M-DT2DRBK/M-DT1DRBK)を買って3年使ったのでレビューを書きます。

結論だけ言うと、小玉ボールの爽快な操作感と人差し指操作の精密性を両立している良いトラックボールです。

エレコム DEFTってどんなトラックボール?

DEFTはエレコムから2015年に発売されたトラックボールです。「DEFT」は、「巧み」とか「器用」といった意味の英語で、まさにそんな感じに小さなボディにたくさんの機能を詰め込んだ機種です。

DEFTには「M-DT2DRBK」と「M-DT1DRBK」の2つの型番が存在します。こいつらはパッケージが違うだけで同じ機種です。

DEFTの素晴らしい特長は、なんといっても多機能さとコンパクトさです。左側面に付いているボタンを見てみましょう。

親指で操作することになるのは、左クリックボタン、戻るボタン、進むボタン、チルト(横スクロール)対応のホイールです。さらに人差し指で操作することになるファンクションボタンが3つついています。

ついでにポインタの速度を切り替えるスイッチもついています。家のデスクトップPCでも持ち運び用のノートPCでも使いたいけどポインタ速度も変えたい、という場合にも、簡単に感度を切り替えられます。

右側には薬指か中指で操作することになる右クリックボタンが1つだけ付いています。変な位置に付いているボタンに見えますが、すぐに慣れます。

全部で8個のボタンと、チルトホイールが付いています。

ボールは34mm径なので人差し指トラックボールにしてはかなり小玉です。

DEFTの特長の一つは、コンパクトさです。おれが知る限り、ここまでのコンパクトさを実現した人差し指トラックボールは数えるほどしかありません。

ぶっちゃけ小玉人差し指トラックボールは作るのがかなり難しく、既存のコンパクト人差し指トラックボールは欠点のあるイマイチな連中ばかりでした。DEFTはどうなんでしょう。レビューしていきます。

型番M-DT2DRBK / M-DT1DRBK
メーカーエレコム
接続方式ワイヤレス/USBレシーバー(2.4GHz エレコム独自規格)
センサー光学式
支持球人工ルビー
ボール直径34mm
ボタン数8
電源単三電池1本
その他機能ポインタ速度切替スイッチ
本体重量112g
保証6ヶ月

操球感が爽快だぞ!

DEFTはかなりコンパクトなトラックボールです。市販の人差し指トラックボールの中では5本の指に入る小ささです。小さいと机の上に置いても存在感が無く机がスッキリしますし、持ち運ぶにも便利です。何より、右手で全ての操作をチョチョイのチョイで完結できる全能感のような感覚は他のトラックボールには無いものです。

ボタン操作はとても快適です。押し心地も良いですし、配置も良いです。右手の先っちょだけで何でもできる操作感はとても気持ちが良いです。

何より良いのがボールの操作感です。DEFTのボールは34mmとかなり小さめです。正直に告白すると、おれはボールはデカければデカいほど好きです。普段使っているエレコムのHUGEという機種は52mmのデカいボールを搭載した機種です。デカいボールを搭載していると細かい操作がとてもやりやすいですし、何よりデカいボールを操作するのは気持ちが良いです。人間はデカい機械を自在に操りたいという欲求を生まれながらに持っています。正直、小玉の人差し指トラックボールというジャンルは、どれも細かい操作がイマイチやり辛く、微妙な機種ばかりの地雷ジャンルだと思って生きてきました。すいませんでした。

ところがどっこい、DEFTは小さいボールを搭載していながら、非常に快適な操作感を実現しています。

DEFTは筐体が小さいので、手で全体を覆うポジションで操作をすることになります。このポジションによって、ボールを包み込むように精密に動かすことができるのです。

優れた形状設計によって大玉トラックボールのような繊細な操作感を実現している一方で、小玉トラックボール特有の爽快な操作感も兼ね備えています。小玉トラックボールはボールが軽いので、画面の端から端まで一気に移動するような大雑把な操作に向いています。

小玉トラックボールの良さを活かす秀逸な設計が、ボール周りのくぼみです。このくぼみに指を引っ掛けるようにしながらボールを回すことで、チカラいっぱいボールを回転させることができます。形状設計が優れているのでチカラいっぱい回転させてもボールがガタつくことはありません。このちょっとした形状の工夫によって、広い画面でも軽々としたカーソル操作を行うことができます。細部までよく考えられた設計です。この操作感の楽しさは大玉トラックボールにもまったく負けていません。

ボールはイマイチ!できれば替えよう

ここまで褒めちぎってきたDEFTですが、唯一にして最大の欠点があります。ボールがクソです。

DEFTのボールは灰色にラメ入りのパッとしない見た目のボールです。こいつはサイトデザインに黒ばっか多用しがちなダサいウェブサイトのように見た目が激ダサである以上に、いくらか欠点があります。

まずカーソルの認識精度がよくないです。いまどきのトラックボールはセンサーでボール表面の模様の動きを読み取ってカーソルの動きに変換しているんですが、こいつは表面の模様がイマイチらしく、精密な動きをしようとすると、カーソルが微妙に震えることがたまにあります。

ボールの回転のなめらかさもイマイチです。実はなめらかなボールを作るのはトラックボールづくりで一番重要なところです。このボールはあまりなめらかに動かず、やはり細かい作業がやりにくいです。

本体の設計はとても良いのに、ボールで損をしている機種です。付属のボールでもそれなりに使えますが、せっかくなら最初からもっと良いボールをつけておいてほしいところです。

Logicool M570

さて、DEFTは34mmのボールを搭載しています。34mmといえば、トラックボール業界には強烈なライバル機種が存在します。ロジクールのM570です。

M570はマジでバカ売れしまくっているトラックボールです。地球でトラックボールが売れたら、3台か4台に1台はおそらくM570です。

で、M570はバカ売れしているので、「ボールを替えたい」というM570ユーザーの謎の需要に応えて、替えのボールがいろいろなメーカーからいろいろ売られています。これを使わない手はありません。

というわけで、せろりんはペリックス製の緑のボールを使っています。こいつは超いいです。カーソルの震えはありませんし、何よりボールが超なめらかに動きます。最高です。それでいて1200円くらいで買えるので、DEFTと同時購入してもいいと思います。もちろん同時購入せずに、とりあえず付属のボールで頑張ってみるのもアリです。案外気にならないかもしれませんからね。ボールがダメといってもその程度です。

ちなみにトラックボールオタクをやっているといろんな34mm球が入手できるので、おれは気分によっていろんなボールに替えています。トラックボールにもおしゃれをさせてあげたいわけです。

耐久性はバッチリだぞ!しかも安い!

せろりんはメインPCではエレコムの「HUGE」という機種を使っていますが、サブPCではDEFTを使っています。で、DEFTも平均1日1時間くらい触るんですが、3年経っても壊れる気配はありません。

1日1時間しか使っていないとはいえ、3年使えるのはマウスの寿命としてはかなり良いほうです。もちろん個体差や使用環境による差はあるに違いないんですが、とりあえずおれのは3年持ちました。

ボタンギシギシ問題はどうでしょう?多くのマウスやトラックボールでは、酷使していくとボタンを押したときにギシギシ言う現象が発生します。これはDEFTでも発生します。それほど大きな音ではありませんがギシギシ言います。ボタンギシギシ現象は、実は分解して適切な場所に油を塗れば直る現象ではあるんですが、いちいち分解なんてしてられないので、ちょっと気になる部分でもあります。

とはいえこのギシギシ現象は多くのマウスやトラックボールで見られるので、DEFT特有のダメな部分というわけではありません。お値段を考えるとしょうがない部分はあります。

なんといっても3000円という値段が大変すばらしいです。3000円というのはトラックボールの中では非常に安いです。この安さだったら、仮にすぐぶっ壊れたとしても許せます。この値段で8ボタン+チルトホイールという高機能を実現したことは驚くべきことです。

電池持ちはバッチリ、無線品質もヨシ!

電池は数ヶ月持ちます。いまどきの無線マウスとしてはスタンダードな電池持ちです。

無線品質についても問題ありません。ラグや瞬断は稀にしか起こりません。無線に関しては、レシーバーが小さいのも魅力的です。

ただしレシーバーと本体が完全に1対1で紐付けされているのが残念ポイントです。たとえばレシーバーを無くしてしまったら、二度とその機種は使えません。持ち運びを想定したトラックボールとしては微妙に残念なポイントです。

我が家のUSBハブ(エレコム製)はこうなっています。エレコム製トラックボール3台とエレコム製テンキーを接続しています。エレコムのレシーバーが4つも刺さっているわけですが、正直言って邪魔です。しかも、レシーバーの形状が全部いっしょなので、どれがどれなのかわからなくなります。なので、おれは頻繁に抜き差しするレシーバーにはマスキングテープを貼って目立つようにして運用しています。エレコム製品ばっかり買っている熱心な信者ほどこういう状況になるのは悲しいので、このへんは工夫がほしいところではあります。

たとえばLogicoolの無線マウスはUnifyingという無線規格に対応しています。Unifyingは1台のUSBレシーバーに最大6台のマウスやキーボードを接続できる無線規格です。周辺機器をLogicool製品で統一すればUSBポートがスッキリしますし、もしレシーバーを無くしても別のレシーバーを使うことができます。

エレコムのトラックボールばっかり買ってるおれとしては、そろそろUnifying的な規格を採用してほしいところです。

おすすめトラックボールだぞ

DEFTは考え抜かれたボタン配置と形状設計で独自の操作感を生み出す、唯一無二のとても良い機種です。ただし、ボールの品質がイマイチなのが玉に瑕です。

何よりも3000円という安さが魅力的です。3000円なのでなんも考えずに買ってみると幸せになれるかもしれません。なんも考えずに買ってみましょう。

せろりんとしては、同じエレコムから販売されているHUGEもオススメではあります。DEFTとHUGE、どっちのほうがオススメかと言われると迷うところではあるんですが、おれはHUGEのほうが好きかもしれません。ただし、HUGEはサイズがデカめなので、女性や手の小さい人には向かないかもしれません。手が小さい人や、持ち運びをしたい人にはDEFTのほうがオススメです。

終わり。

せろりんでした。

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